突然片耳が難聴になった話。【困ったこと・感じた事】


「もしも、自分が急に難聴になったら・・・。」
そんなことを今まで想像した事が無かったわけではありません。
有名人が突発性難聴になったというニュースを見たり、難聴がテーマのドラマや小説を読んだりした時、自分に重ねあわせる事もありました。

だけど、想像は想像でしか無かった。
実際に自分がなってみると想像とは違うことばかりでした。

こんな事が想像と違った!

「難聴の人って静かな世界で暮らしているんじゃないの?」

聴力が低い、耳が遠い人のイメージって単純に、音量が下がっている世界なんだって思っていませんか?
実は、かなり騒がしい世界でした。
特に、片耳だけの場合左右の音量差を調節しようと脳ががんばってしまう為に生じ易いらしいのですが、常時耳鳴りがしています。
常に片側から砂嵐のザーザー音が響いているような状況といえば分かって頂けるでしょうか。
また、私の場合は聴力が落ちていた低音部を中心に聴覚過敏もありました。
なので、低音が大きい音じゃないと耳鳴りがうるさくて聞こえない、だけど大きいと耳にビリビリ響いて聞き取れない、という難儀な状態になっていました。

「難聴って補聴器をつければ聴こえるんでしょう?」

視力の場合、相当の弱視や乱視で無い限り、メガネやコンタクトで見ることが出来ますよね。
しかし、音の歪みを伴う難聴の場合、補聴器はほとんど使えないようです。
また、補聴器はきちんとした製品を購入するとなると数万円から数十万円するので気軽には手を出せません。
私が診断されたメニエールのように症状に波があると、長期間難聴の症状が現れていても補聴器に頼るのは難しいのではないかな、と思います。

こんな事が困った!

「車の音が辛い!」

聴覚過敏の症状が出ている場合、特定の音が苦手になる人も多いと思います。
私の場合は低音だったのですが、どうも車のエンジン音がドンピシャな音域だったらしく、交通量が多い道は避けて歩いていました。
原付は大丈夫なんですが、バイクもダメでした。
今は乗っていませんが、大型免許をとるほどバイク好きだった私には辛かったです。

「スーパーにいくのが辛い!」

私は一人暮らしだったので、スーパーは行かないわけにはいかなかったのですが、BGMが辛い。
特に嫌だったのは各部門で流れている音楽が違う時です。
音階が異なって聴こえる為一曲でも不協和音なのに、2曲同時なんて・・・。(当時の私の音楽の聴こえ方は前の記事参照→)
しかも、聴覚過敏によって選択的注意が出来なくなっている状態。
そこに店内アナウンスなんて流れてこようものなら・・・。。。
頭の中がやみ鍋状態(?)

「聞き取れなくてすみません・・・。」

比較的、高音域の女性の声は聞こえる方の耳を近づけるなどで聞き取れたのですが、低い声の人は中々聞き取ることが出来ませんでした。
店員さんや駅員さんに一々症状等を説明するわけにもいかないので
「すみません、もう一度・・・」
とお願いする事になるわけです。
2度目にはっきり発音してくれたり、こちらを見て(口元を見せて)話してくれれば状況と合わせてかなりの場合理解できました。

しかし、困るのがイライラするのか早口になる方。
分かります。言い直しするのってイライラするんですよね。
こちらも申し訳ない気持ちで一杯です。
だけど、どうしたって聞き取れないものは聞き取れない。

相手がお年寄りだったり補聴器が見えていれば、気遣いもあるかもしれません。
でも、私はパッと見健康そうにしか見えません。
「だーかーらー、○×△です!」
と大声で早口になったり・・・という事もありました。
聞き取れない音域=聴覚過敏を抱えていた私には、親切心なんだろう大きな声が余計聞き取りにくいのです。

正直、片耳が難聴になるだけでこんなに言葉が聞き取れないものなのか、と驚きました。
聞こえが歪んでいると、特にうるさい環境では片側から壊れたラジオを聴かされているような感覚でした。
難聴の方の耳に耳栓をつけようかと本気で悩みました。

いつ治るか分からないこと。

突発性難聴も、メニエール病も全治○日とは言えない病気です。
むしろ、完治するかどうかも分かりません。
人の言葉が聞き取れなかったり、外を歩くことが苦痛だったり、音楽を楽しむことが出来なかったりする事に終わりが見えないというのは本当に精神的に負担になっていたと思います。
特に、人の言葉を聞き取れないという事に関しては本当に深刻でした。
その上眩暈まで出てきた状況では普段の日常生活を送るのが困難でした。

いつまで聴こえないのか、聴こえるようにはならないのか、ならないとしたらどんな職業なら就けるのか、障害者手帳はおりるのか。(ちなみに片耳難聴は手帳がでないそうです。)
ただでさえ上手くいかない生活にストレスがたまり、そのストレスが病気によくないと言われる悪循環を抱える中で、この不安感は辛くて仕方が無かったです。

周囲の理解が得られないこと。

これが一番困ったことかもしれません。
私の場合、幸いにも難聴だった期間は今回は一ヶ月ほどだったのでごく身近な人にしか打ち明けずにすみました。
それでもやはり、嫌な気持ちになる事も有りました。
例えば、
「演奏家じゃなくて良かったね」とか
「片耳難聴の人ってもう片方も聞こえなくなる可能性高いらしいよ」とか
「折角音楽勉強したのにね」とか
「治らないと思うよ」とか。
気を使ってくれてありがとう!でもごめん!!
今、そういう言葉は要らないかな・・・。。。

何の病気でもそうですけど、多分なった本人が一番その病気について必死で調べていると思います。
将来のことについて一番心配しているのも本人だと思います。

結局、一番嬉しかったのは
「そうなんだー。」
と軽く受け止めて、
「何もできんかもやけど、なんかあったら言ってな!」
と言ってくれたことでした。

勿論、人によって受け取り方は様々だと思いますが、病気をしている時は些細な言葉でも傷つき易くなっているのは確かだと思います。
カミングアウトを受けて動揺したり、励まさなきゃ!という気持ちも分かりますが、無理に言葉を探さなくても、受け止めてくれるだけで心が軽くなる事も有るんじゃないかなって思います。

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